HEAVEN's Door
「睦海の、今のパパも昔、レースしてたとか?」

俯きながらあたしを見る巧くんの目は。

凄く魅力的で。

吸い込まれそうなくらい、キラキラと輝いていた。

「うん、一度チャンピオンになった事があるよ。
亡くなった本当のパパも」

「へえー!凄いね!!
睦海、サラブレッドだよ、それ!!」

一段と目を輝かせる巧くん。

「…プレッシャーだよ、それ」

あたしは頬を膨らませた。

「そんなプレッシャー、プレッシャーの内に入んないよ」

鼻で笑われた。

…ムムッ!
< 22 / 79 >

この作品をシェア

pagetop