HEAVEN's Door
「…睦海」

パパは手紙を閉じた。

「昨日、ツーリングに行った相手、拓海だろ?」

あたしは頷くとパパはやっぱり、と言って

「今朝、車体を見たら。
ステップをかなり擦っていて。
睦海では出来ない擦り方だったからずっと疑問に思ってた」

パパは微笑んだ。

でも、どことなく寂しそうで、悲しい目をしていた。

「…こんな事もあるんだね」

伏せたパパの目が一瞬、涙で濡れた。
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