パトリツィア・ホテル
| 第十一章 パトリツィアが倒産!?

「どうして?一体、何があったの?」

帰りの飛行機の中。事情が全く飲み込めていない私は、必死で勇人に尋ねた。

勇人もあまりのことにひどく動転して頭の整理が追いついていない様子で。

だけれども、彼の把握している限りを私に説明してくれた。

「最大の融資元が……パトリツィアへの融資を打ち切ったらしいんだ」

「えっ……」

最大の融資元……それを聞いて、私の頭の中には、ある人物の顔が浮かんだ。

私をいつも恨めしそうに見ている……そして、あのパーティーで勇人に「邪魔」と言い放たれ、憎悪に満ちた表情をしていたあの娘。

神澤さん……まさか、彼女が?

でも、いくらファイナンシャル・グループの御令嬢だからと言って、会社の融資に口出しするほどの権限なんてないだろうし、まさか、好きな人の会社を倒産させるほど根性は悪くないだろう……と思いたいんだけど。

でも、私を睨む彼女の目の血走った……恐ろしい形相を思い出すと、有り得るかもと思ってしまう。

「そんなに……お金を返すのが滞ってたりとか、してたの?」

私が尋ねると、勇人は首を横に振った。

「いや……パトリツィアはちゃんと返していたし、業績もそこまで悪くなかったはずなんだ。本当に、どうしてなんだ……」

そう言って、頭を抱え込んだ。
< 178 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop