パトリツィア・ホテル
それに、何かあの顔……見覚えがあるような気がする。
遥か遠い昔、どこかで会ったことがあるような……。
でも、思い出せなくて。
もどかしい想いをしているうちに、新入生代表の挨拶は終わり、入学式は終了した。
*
「ホント、カッコいいよね。新宮君と同じクラスだなんて、私達、ツイてるわぁ」
「うん……」
教室に帰ってからも、朱里は目を輝かせて声を弾ませていた。
確かにカッコいい。
カッコいい……んだけど、別に、ツイているとは思えない。
だって、どうせ、私達庶民とは違い過ぎるし。
相手にされるワケがない。
でも……そんなドライで冷めた考えは口に出さずに、女子達のみずみずしい瞳を独占する彼に目をやった。
イケメンな彼はやはり、このクラスでトップクラスの男子とつるみ始めていた。
町病院の院長さんの息子で、甘いマスクが持ち味の絹川くん。
新しくできたベンチャー企業『サクセス・ストーリー』の経営者の息子で、マッチョなイケメン、紺野くん。
早速、初めて会ったはずのこの二人と親しげに話していた。
だけども……
(何か……無理してるように見えるんだよなぁ)
超エリート御曹司の二人と話す新宮くんの笑顔は、どこか、苦しげに見えた。
遥か遠い昔、どこかで会ったことがあるような……。
でも、思い出せなくて。
もどかしい想いをしているうちに、新入生代表の挨拶は終わり、入学式は終了した。
*
「ホント、カッコいいよね。新宮君と同じクラスだなんて、私達、ツイてるわぁ」
「うん……」
教室に帰ってからも、朱里は目を輝かせて声を弾ませていた。
確かにカッコいい。
カッコいい……んだけど、別に、ツイているとは思えない。
だって、どうせ、私達庶民とは違い過ぎるし。
相手にされるワケがない。
でも……そんなドライで冷めた考えは口に出さずに、女子達のみずみずしい瞳を独占する彼に目をやった。
イケメンな彼はやはり、このクラスでトップクラスの男子とつるみ始めていた。
町病院の院長さんの息子で、甘いマスクが持ち味の絹川くん。
新しくできたベンチャー企業『サクセス・ストーリー』の経営者の息子で、マッチョなイケメン、紺野くん。
早速、初めて会ったはずのこの二人と親しげに話していた。
だけども……
(何か……無理してるように見えるんだよなぁ)
超エリート御曹司の二人と話す新宮くんの笑顔は、どこか、苦しげに見えた。