カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
とは言え、やるべきことはたくさんある。
俺が彼女を妊娠させ、勝手にプロポーズをしたことについて憤慨する立場の人は多方面にいるはず。
まずは彼女のご両親。ここは頭を下げ続け、どうにか納得してもらうしかない。そのためならどんな誠意も見せるつもりだ。
次に、俺の両親。
よそのお嬢さん、それも社員に手を出したとあってはタコ殴りにされるか木刀で刺されるか、とにかく激怒するだろう。
しかし妊娠させておいて責任を取らないことを推奨するような人達ではない。彼女が俺と結婚をし、産みたいと言ってくれるのなら、そうすべきだと諭すはずだ。
万が一、予想が外れ難色を見せたとしても、俺はこちらの身内の意見など考慮するつもりはない。
誰が反対しようと、菜々花さんを選ぶ。文句を言われるようなら縁を切る。
政略結婚を推してくる役員にだって口を出させない。
なにがなんでも、俺が菜々花さんを守る。
だからまずは、菜々花さんが俺を受け入れてくれなければ始まらないのだ。
彼女が当初言っていた、迷惑をかけたくないから出産しない、という選択ほど、俺にとって悲しいものはない。
そんなことになったらとてもじゃないが俺は二度と太陽の下を歩けないし、宿った命を育めなかった後悔を一生抱えて生きていくことになる。
なにより、大切な女性を傷つけることは、俺自身が許せない。