カタブツ御曹司と懐妊疑惑の初夜~一夜を共にしたら、猛愛本能が目覚めました~
「星野さん。こちら、俺の実家で家政婦をしてくださっている近藤さんです」
課長が彼女を手で指し示すと、「よろしくお願いいたします」ともう一度会釈をされ、私もペコペコと噛み合わないリズムで頭を下げる。
「実家には、俺の仕事が忙しいため近藤さんをこちらへ出張させてほしいと上手く話して頼みました」
「は、はあ」
「彼女に星野さんの身辺の世話を頼んでありますので、なにかあればベルで呼ぶようにしてください」
「えぇ!?」
私は横に立っている課長をグルンと見上げ、大声を出した。彼は玄関に置いてあったハンドベルをカランと一度鳴らし、こちらへ手渡す。私はとりあえず受け取ったが、遠慮がちに両手で持った。
なぜ身辺の世話が必要なのか。しかしすでに来てくれているのに「要りません」とは言えず、課長と近藤さんを交互に見た。彼女は無表情だった。