同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「何それ……歪んでる……」
「俺は分からなくもないよ。波瑠と離れるのは辛いって思い知ったから」
「…………」
優磨くんは寂しそうな目を向ける。
「波瑠が俺に何も言ってくれないことは悲しかったし寂しかった」
「言いづらくて……優磨くんに心配かけたくなかった」
「俺のことを思ってくれてなのはちゃんと理解したから。本音は頼ってほしかったよ」
その言葉に私も下を向く。
「ごめんなさい……」
「俺も、波瑠を傷つけることしてごめんなさい」
「…………」
「姉さんの浮気問題は俺の中ではすごく大きくて、波瑠もそうじゃないかって……」
「…………」
「勘違いして反省してる。もう一度やり直したい」
「…………」
「波瑠?」
目が潤み始める。欲しかった言葉がやっともらえた。それなのに全然嬉しいと思えないのが辛い。
「今更だよ……あんなに拒絶したのに……」
「信じなくてごめん……波瑠の首にあったキスマークも、なんとなく状況が分かったから……」
思わず首に手当ててしまう。もうとっくに痣は消えたけれど、今でも吸われた痛みは蘇る気がする。
「私……下田くんに無理矢理……押さえつけられて……」
「いいよ、嫌なことを言わなくて」
「抵抗したけど……力じゃ敵わなくて……」
「波瑠」
「でも本当にキスされた以上のことはなくて……」
「もう大丈夫だよ」
「私は優磨くんの嫌いな汚い浮気女だから」
「違う! 俺が誤解してた!」
優磨くんは前のめりになり必死に訴える。
「汚くなんかない! これからはちゃんと波瑠を守らせてほしい! もう一度そばに居させて!」
「ごめんなさい……できない」
今の私には無理だ。優磨くんと元に戻るには心の傷を回復できない。