同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「ごめんね、これでも安西さんを呼ぶために片づけたんだ。こっちの寝室を使って」
横の部屋を開けるとダブルサイズのベッドが置いてある寝室だ。
「取りあえずここで寝て。俺は玄関の横にある部屋で寝るから」
「いや、あの、優磨くんがここで寝て。私は床でもソファーでもいいから」
「大丈夫、ここ使って。それ以外の部屋は荷物詰め込んでるからとても寝れる状態じゃないし」
優磨くんは慌て始める。そのままトイレとバスルームの案内をされた。
「何でも好きに使って。他の部屋はごちゃごちゃで見せられるような状態じゃないけど、徐々に片付けるから」
私をソファーに座らせるとキッチンでコーヒーを淹れ始める。
「どうしてここまでしてくれるの?」
「俺、下田みたいなやつ嫌いなんだ。浮気とか結婚してるのに他の人と、とか。だから安西さんを放っておけない」
カップにコーヒーを注ぎながら「あんなやつと思わなかった」と呟く。
私たち同期は比較的良好な関係で働いてきた。でも今はみんなバラバラだ。下田くんが嘘をついていたせいで。
優磨くんもソファーに座ると私は自然と緊張し始める。まさか優磨くんの家に来ることになるとは思わなかった。同期なのにプライベートを深く知っているわけではない。今までの優磨くん自身が深く関わろうとしてこなかったように思う。
「その内色々買い揃えようか」
「え?」
「この部屋は元々俺のじゃないから。最低限の家具は置いてってくれたけど、食器も二人分ないし、日用品も足りない」
「本当に私と住むつもり?」
「そうだよ」
当たり前という顔で私を見返す。
「俺明日休みだから買っとくね。必要なものあったら言って」
優磨くんは本気で同居するつもりだ。私は一泊で帰ろうと思っていたのに。