同期の御曹司様は浮気がお嫌い
「ごめん俺のせいで……これからどうするの?」
「そちら様には関係のないことなので、失礼します」
「待って! 波瑠! 俺は……」
下田くんの言葉を聞き終わらないうちに受話器を乱暴に置いた。
何を言われても私はもう前に進む。今はそばに優しい恋人がいてくれる。下田くんのことはもう振り返らない。
転職活動はうまくいっているとは言えず、この間面接に行ったところは不採用だった。その後数社面接をしたところ全てが不採用に終わる。さすがに落ち込んで送り返された履歴書を眺める。
「焦らなくてもいいんだよ」
ソファーに座る私の更に後ろに座って抱きしめてくれる優磨くんに体重を預けて寄りかかる。
「でもさすがにこれだけ不採用が続くと落ち込む……」
「波瑠は正社員がいいの?」
「それはまあ……」
これからのことを考えると正社員がいいに決まっている。
「まだここを出て行くつもりなの? 生活費のことなら気にしなくていいんだよ?」
「でも甘えっぱなしはやっぱり悪いし……早く私も生活費を入れないと」
「いいの。たくさん甘えて」
優磨くんは私の首にキスをする。
「なんなら働かなくてもいいんだって」
「それは無理……」
くすぐったくて体をよじりながら優磨くんに言い返す。
「無職はちょっと……」
もしも、もしもの話、優磨くんと今後何かあったら、仕事がないと私は不安になる。
優磨くんは私が何を考えているのかおおよそ分かるのだろう、ぎゅうっと強く抱きしめる。
「俺はずっと離れないから。波瑠はそばにいてくれるだけでいいんだからね」
「うん……でも、あんまり私を甘やかすとダメ人間になるからね」