副社長が私を抱く理由~愛と殺意の先に~

 2人がやって来たのは、オフィスビルから歩いて10分程の場所にあるオートロックの高級マンション。

 ここはお金持ちだけが住むことが出来るレジデンス。
 24時間コンシェルがいて、合いカギを管理している。
 1戸数億円はする分譲マンションである。


 部屋番号を押してロックを開ける宇宙。

 
 涼花の手を引いて、エレベーターへ向かう宇宙は、まるでお姫様をエスコートする皇子様のようだ。


 

 エレベーターを昇ってたどり着いたのは12階。
 

 広い玄関を入ると、まるでお城のような広さが広がっている。

 通路脇に洗面所とお風呂場とトイレがあり、途中洋室が3部屋ある。
 
 奥に行くと広いリビングとキッチン。
 大きな窓が広がり夜景がきれいに見え、街並みが小さく見える。

 リビングには高級ソファーとガラスのテーブルが置いてあり、大きなテレビも置いてある。

 食器棚にはブランド品のお皿やカップが置いてあり、低めの棚も置いてある。

 棚の上には写真が置いてあり、指輪ケースも置いてあった。
 写真は背を向けられ何の写真なのか分からないが、指輪は結婚指輪のようだ。



 宇宙はそのまま涼花をソファーに座らせた。

 涼花は広いリビングを見て、キョンとなっていた。



「とりあえず、これを…」


 グラスを用意して、シャンパンをついでくれた宇宙。


「今夜は、ここに来てくれたアンタに乾杯ってことで」

 カチンとグラスを重ねる宇宙。

 グラスの中は金色の世界が広がり、綺麗な宝石のような泡が小さく沸いているように見えて幻想的である。

 涼花は少し舐めるようにシャンパンを口にした。

 ちょっとだけ舐めてみるだけでも、とても美味しいシャンパンに、涼花もちょっと驚いた目をした。

 そんな涼花を見て、宇宙はフッと笑いを浮かべた。

「ねぇ…」

 
 グラスを置いて、宇宙は涼花を見つめた。

 見つめられると涼花はスッと視線を落とした。


 そのまま宇宙は涼花の隣に座り、肩に腕を回すとスーッと顔を近づけた。

 
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