エチュード〜さよなら、青い鳥〜
「ずいぶんと余裕ね。
ご存知だと思うけど、私たち、かつて婚約までしていたの。涼が会社を出向することになって破談になってしまったけれど。
こちらはもうすぐ深夜0時。今夜は私、ずっと涼と二人きりなの。涼、会社での立場に悩んでいて、しかも奥さまに放っておかれて、寂しかったのかしら、久しぶりに色々話したわ」
さらなる挑発。内心動揺しているが、電話ならそれを悟られないようにするのは簡単だ。声だけなら、いくらでも誤魔化せる。
「だから?
何かあったとしても、私が四辻の妻であることは変わらない」
「…っ!」
電話の向こうで福岡陽菜が息をのんだ。動揺を誘うつもりが初音の方が一枚うわてだった。
「仕方ないわ、涼にはまた改めて電話します。さようなら」
冷静を装い、電話を切った初音の指は震えていた。
ご存知だと思うけど、私たち、かつて婚約までしていたの。涼が会社を出向することになって破談になってしまったけれど。
こちらはもうすぐ深夜0時。今夜は私、ずっと涼と二人きりなの。涼、会社での立場に悩んでいて、しかも奥さまに放っておかれて、寂しかったのかしら、久しぶりに色々話したわ」
さらなる挑発。内心動揺しているが、電話ならそれを悟られないようにするのは簡単だ。声だけなら、いくらでも誤魔化せる。
「だから?
何かあったとしても、私が四辻の妻であることは変わらない」
「…っ!」
電話の向こうで福岡陽菜が息をのんだ。動揺を誘うつもりが初音の方が一枚うわてだった。
「仕方ないわ、涼にはまた改めて電話します。さようなら」
冷静を装い、電話を切った初音の指は震えていた。