【完結】警察官な彼と危険な恋愛白書

side裕太



 「おい。川畑」

 「…………」

 「おい。川畑!」

 「…………」
 
 「川畑!!」

 「えっ?」

 「おい!どうした?大丈夫か?」

 「あ、ああ……大丈夫だ。済まない」

 「どうしたんだよ?何かあったか?」

 「いや、別に……」

 あの日以来、ますます彼女のことが頭から離れなくなってしまった。彼女のことを思うたびに、なんだかもどかしい気持ちになってしまって。

 忘れられないんだ。あの日のことが。

 あの時交した彼女とのキス……。感触が今も、残っているような気がして。

 忘れられなくなっているんだ。
  
 「……何かあったか?彼女と」

 「えっ!?」

 「……その動揺ぶり見て確信したわ。やっぱり、何かあったんだな?」

 「……別に。大したことじゃない」

 大したことないなんて言ったけど、そんな訳はない。俺だって彼女にキスをしてしまったのだから。

 どうして彼女が俺にキスしたのか、よく分からないからだ。


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