【完結】モンスター撲滅委員会


目の前に、香りだけで白ごはんがすすんじゃいそうな美味しい料理が出されても


――もちろんそれはママこと土屋さんお手製のものであるが


つぐみちゃんの表情は、ぴくりとも変わらない。


それには土屋さんも残念そうで


名誉挽回だと気合いを入れて作ったクレープにも

やっぱりつぐみちゃんは一言も感想を述べなかった。


ママの敗北をこの目で拝む日がこようとは。


「まだだ。……俺はまだ、この勝負に負けていねえ……!」

「はは。惨敗なのに。記録更新しちゃったねえ。何連敗だっけ?」

「うっせ! ちょっと買い出し行ってくるから店見てろサイコ野郎」

「やだ」

「あン!?」

「ママの意地に付き合う気ないー。あ、お客さん来たよ~」

「クソが……!」


ママが舌打ちをしたあと、仏頂面で小学生を座席に案内しに向かった。


わ、笑ってあげて~!

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