イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛
それからしばらく未来は黙っている。
どうせなにか聞きたいことでもあるんだろう、と待っていると。
「…会長は、試験、余裕なんですか?」
やっぱり俺たちに気をつかっているらしい。
「余裕だけど」
「…副会長と流奈さんも、ですか?」
「余裕だろうな」
だからお前が気にすることじゃない。
すると未来はまた少し黙ってから。
「…会長はもう大学とか、決めてるんですか?」
そんなことを聞くので、俺も黙った。
試験だけじゃなくて、進路のことまで気にしてるとは思わなかった。
俺の進路は決まっていた。
未来が思うような、普通の進路じゃないけど。
「とっくに決まってるよ」
言いながら、なぜか少し笑ってしまう。
諦めからくる笑みだと、自分でも分かった。