イケメン生徒会長の甘くて危険な溺愛


俺が未来について調べた、と言ったことを、未来から聞いているんだろう。

既に知っていたことなので、俺は一度だけ頷いた。


「詳しいことは俺も分かんないですけど、恋愛にいいイメージないんすよ、たぶんそもそも」


さっきの泣き顔を思い出す。

ごめんなさい、と、横山に言った声も。


「だから未来の昔からの夢は、普通の恋をすること、なんです。特別じゃなくていい、普通の恋を、1回できたらそれでいい。それが、あいつの口癖です」


…普通の恋、か。


腕を組んだまま視線を落とすと、少し笑えた。

自嘲ってやつだ。


…俺が一番、不適格、なんだろう。


考えれば考えるほど、その答えが導きだされてしまう。

< 98 / 432 >

この作品をシェア

pagetop