貴女を僕のモノにしていいですか?
少女ーーージェニィはピーターが怪盗を始めるきっかけになった人物だ。お金持ちのお嬢様で学校でも注目の的のジェニィにピーターは恋をした。そして告白したところ、こう返されたのだ。

『あたしのタイプはアルセーヌ・ルパンみたいな怪盗なの!』

ジェニィの心を手に入れたい、そう強く思うピーターは『なら僕は怪盗になる!君のほしいものを全部手に入れる』と言ったのだ。

それをジェニィは面白がり、ピーターはジェニィが「ほしい」と言った宝物をその日から盗むようになったのだ。

世界で一番大きなダイヤモンドも、あの女優があのドラマで着ていたドレスも、ピーターはジェニィのために盗んでいく。盗みの手口を覚え、ジェニィの従順な下僕となっていたのだ。

「さあ、ジェニィ次は何がほしい?」

ピーターが訊ねるとジェニィは迷うことなく、「次は絶滅したあの蝶の標本かな」と答える。ピーターは「承知しました」と言い、もう夜遅くのため帰ろうとベランダに出ようとする。その時、「待って!」とジェニィに腕を掴まれた。
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