冷たい千景くんは10分だけ私の言いなり。
だけどまだ最後まで、いたしてはないはず。


だって、2人ともまだかろうじて服は着てるから。


千景くんは制服のブレザーを脱いでネクタイもはずしてて、その上ワイシャツのボタンが全部はずれてる。


上半身があらわになっていて目のやり場に困る。


だけど恥ずかしいくせに、何度もチラチラ見てしまう。


胸板の筋肉とか引き締まった腹筋とか色気がたっぷりで。


あんまり美しいから吸い寄せられるように目が離せない。


だ、誰が脱がしたんだろう、もしかして私がやったのかな?


今はどういう状況?


まさか私が襲っているのでは?


そんなバカなことを考えるくらいにパニックになっていた。


こんな状況、夢見たことは一度もないなんて言ったらウソになっちゃうけど、まさか今日その日が来るなんて全然思ってなかったよ。


だって千景くんたらそんな素振り全然見せなかったし、てっきり私の貧相な身体になんて興味ないと思ってたもん。


待って、今おうちには誰もいないみたいだし。
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