いつか咲う恋になれ
「ごめんね、真尋君。突然来て迷惑じゃなかった?」

並んで歩いていると、彼女が申し訳なさそうに尋ねてくる。そう言われてハッキリ迷惑だと言えるわけがない。

「大丈夫だよ。それより俺に何か用だった?」

「あ、うん……あのね」

彼女は下を向いたままなかなか用件を言わない。まぁ何となく察しはつくけど。

「ねぇ真尋君、また私を彼女にしてくれないかな?受験の邪魔にならないようにするから」

彼女は俺を上目遣いで見てくる。予想通りヨリを戻したいって事か。

元々、この椎野さんと付き合い始めたのは『お試しでいいから』と言われて数ヶ月くらい付き合った。

実際付き合ってみても彼女に対して特別な感情を持てず別れたのだけど、俺の事を諦め切れないのか、度々復縁を迫ってくる。

何度か復縁を受け入れた俺も俺だけど、一体俺なんかの何処がいいのやら。

「ごめんね。俺はもう椎野さんと付き合えない」

申し訳ないけど、ハッキリと断った。受験がっていうのもあるけど、一番大きいのは……

「どうして?あっ他に彼女が出来た……とか?」

付き合いを断るのに理由がいるのか?彼女は必死になって俺の答えを求めている。

「今、大切な人がいるんだ。だから……ごめん」

そう言うと、彼女は泣きながら俺の前から立ち去った。追いかけて何かしらフォロー入れた方がいいのかもしれないけど、そういう気にならなかった。
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