いつか咲う恋になれ
「二人に何かあったんですか?」

「美園さんってモテるでしょ?だから美園さんと仲の良い敦士が羨ましくて、周りの男子が敦士に言ったらしいんだ『美園さんは真尋(おれ)目当てで敦士に近づいてるんだ』って」

いやいや、優莉はそんな子じゃないし…宮原先輩がその事は一番分かってるんじゃ…

「まさかと思いますけど、宮原先輩それを信じたんですか?」

「バカだよな敦士(あいつ)。それを信じた上に美園さんを問い詰めて泣かせたらしい」

真尋先輩の話によると、それ以来二人は話をする事もなく宮原先輩は中学を卒業した。

宮原先輩、優莉の事好きだったんだろうな。そして優莉も……かな。

その事をずっと引きずってて、やっと部活祭の時に二人きりで話ができるチャンスができたらしい。

3on3の試合前、私と真尋先輩が生徒会室を出て行って二人きりになった時だろうな。

「部活祭で仲直りしたついでに告れば良かったのに、敦士もまだまだ詰めが甘いな」

氷の入ったコップに注がれた麦茶を飲みながら真尋は笑みを浮かべる。

私から見ても二人はまだ恋愛的な好意を持っているように見えたけど……

「受験生だから恋愛を控えてるとかじゃないですか?」

「はは、敦士はそんなタイプじゃないよ。それに大学も地元を受けるし、何を遠慮してるんだか」

宮原先輩と優莉の恋、上手くいくといいな。そう思って私もニコッと微笑んだ。
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