君を愛する資格。



俺は裏切られた。ずっと一緒だって言ったのに。
つい昨日まであんなに笑い合っていたのに。



春の中でこんなにも俺はちっぽけな存在で

簡単に切り捨てられるのか


俺はこんなにも春が大事で

こんなにも春のことが_______________



怒りと悲しみの真っ黒な感情が

混ざりあってごちゃごちゃして

もう何も考えられなくなった



数日後、ごちゃごちゃした感情が消えないまま
ひとりで学校に向かっている途中
近所のおばさん達の話し声が聞こえた


「赤瀬さん、母親が借金作って夜逃げしたらしいわよ。
お子さんもまだ小さいだろうに、可哀想ね〜」



その頃俺は "夜逃げ" がどういうものかわからず

母親に聞いても


「もう春君のことは忘れなさい」


と言われるだけだった


< 4 / 19 >

この作品をシェア

pagetop