青藍の夢
僕たちは付き合って三年ほどになる。出会いは高校。僕は高校で教師をしていて、ヴァイオレットは僕の教え子だった。

十歳以上歳が離れていて、僕はヴァイオレットと同い年の子に比べて何も面白くもない三十路のおじさんだというのに、ヴァイオレットは僕に「愛しています」と伝えてくれた。

最初のうち僕は「その気持ちには応えられない」と頑なにヴァイオレットの告白を断り続けた。だって教師と教え子の恋愛など許してもらえるはずがない。でも、何度断ってもヴァイオレットは「愛しています」と言うのをやめなかった。何度目かわからない告白の後、ヴァイオレットに折れた僕はその愛を受け入れた。そして、いつしかヴァイオレットのことを心から愛するようになっていたんだ。

「私、昔、不思議な夢を見たことがあるんです。愛する人と二人、鳥になって飛び立つ夢。その愛する人は先生にそっくりでした。もしかして、先生を愛することは運命だったのかもしれませんね」
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