半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
「じゃ、父様のところに行ってくるから」
くるっと空中で振り返り、リリアは彼を見下ろしてキッパリ告げた。
「えぇぇッ、いや駄目ですって!」
「ならアサギも付いてこればいいじゃない」
そう言うなり、リリアは開いた窓の向こうへ飛び出した。
その途端、目に飛び込んできた豊かな緑の土地と青空にわくわくした。新鮮な空気を、胸いっぱいに吸い込むと気分は一気に上がる。
「やっぱり天気がいい時は、こうこなくっちゃ!」
やんちゃなリリアは、大好きな父の領地を見るべく更に高く浮かび上がると、彼がいる場所を目指して空を飛んだ。
窓から飛んで出て行ったリリアの姿が、小さくなっていく。
その後ろ姿を茫然と見送ってしまったアサギは、ハッと我に返った次の瞬間、あとを追うべく部屋を飛び出した。
すれ違う使用人達が、大慌てで階段を駆け下りる彼を見た。一度だけ手を止めたものの、すぐいつものことかと察して各々の仕事へ戻っていく。
――リリアを追うにしても、人の目がある場合、アサギは〝能力も人間に合わせなければならない〟。
今のところ、アサギが妖狐の黒狐であると知っているのは、当主のツヴァイツァーだけだった。
これまで代々の執事は、みんな当主以外には正体を明かさず仕えてきた。
だが今回、めでたくも久しい〝姫〟が新たに誕生した。リリアの教育のためにも、妖怪であることを打ち明けた方がいいのでは、という話が妖怪国の方でちらほら出始めている。
くるっと空中で振り返り、リリアは彼を見下ろしてキッパリ告げた。
「えぇぇッ、いや駄目ですって!」
「ならアサギも付いてこればいいじゃない」
そう言うなり、リリアは開いた窓の向こうへ飛び出した。
その途端、目に飛び込んできた豊かな緑の土地と青空にわくわくした。新鮮な空気を、胸いっぱいに吸い込むと気分は一気に上がる。
「やっぱり天気がいい時は、こうこなくっちゃ!」
やんちゃなリリアは、大好きな父の領地を見るべく更に高く浮かび上がると、彼がいる場所を目指して空を飛んだ。
窓から飛んで出て行ったリリアの姿が、小さくなっていく。
その後ろ姿を茫然と見送ってしまったアサギは、ハッと我に返った次の瞬間、あとを追うべく部屋を飛び出した。
すれ違う使用人達が、大慌てで階段を駆け下りる彼を見た。一度だけ手を止めたものの、すぐいつものことかと察して各々の仕事へ戻っていく。
――リリアを追うにしても、人の目がある場合、アサギは〝能力も人間に合わせなければならない〟。
今のところ、アサギが妖狐の黒狐であると知っているのは、当主のツヴァイツァーだけだった。
これまで代々の執事は、みんな当主以外には正体を明かさず仕えてきた。
だが今回、めでたくも久しい〝姫〟が新たに誕生した。リリアの教育のためにも、妖怪であることを打ち明けた方がいいのでは、という話が妖怪国の方でちらほら出始めている。