<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて

優生を家に上がらせて、私は朔夜を探す。


朔夜はこの時間ならまだ部屋にいるはず。

胡桃とのデートもあるはずだから、あと少ししたら家出ちゃうけど。

扉をノックして呼びかける。


「朔夜ー?」

「月那……?」


いつもならちゃんと朝起きれたことにホッとするのだが、今はそれどころではなかった。


「どうした……?」


扉の向こうから聞こえたのは、いつもより覇気がなく、どこか元気がない声。

体調でも崩した……?


心配のあまり、扉をすぐ開けて朔夜の私室にずかずか入っていく。

朔夜はベッドの隅で小さく縮こまっていた。


「月那、どうしよう……」


そこで放たれた言葉はとてつもなく衝撃的だった。


「胡桃と別れたくない……っ」


えっ、えっ……

まさかの別れの危機……!?
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