きみのこと、極甘にいじめたい。

押し殺してほしくない



SIDE 理太



「おはよう! 理太くん! それじゃ行ってきます!」


「戸締りよろしくねぇ!」


「行ってらっしゃい……」



仕事にとりつかれているおじさんと母さんの朝は早い。



もしくは俺の朝が遅い。


眠すぎ……。



「あ! そうだ理太くん、学校から帰ってきたら足元! 足元に気を付けてね!」



――バタン。玄関のドアが閉まってしまった。



「足元……?」


おじさん、何言ってんだろう。



まぁいいや。素直んとこ行こ。



と、思ってリビングに入ったけど、姿は見当たらず。



全部屋探したけどいる気配がなくて、玄関に揃えてあった素直のスニーカーがないのを確認してやっと諦めがついた。



「……先に行きやがったね」



なんなの素直。



せっかく同じ高校に通うんだから一緒に行ってくれたっていーじゃんね。



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