お隣さんは裏アリ王子
「んっ……はあ」


自分でも驚くほど色っぽい声が漏れる。


口内を触る舌の感覚に身体がふわふわする。


どれくらいの時が過ぎたのか、唇が離れた。


「そんな顔すんなよ。襲いたくなる」


どんな顔をしてたのかは、わかんないけどその言葉に恥ずかしくなって俯く。


「降りるぞ」


手を握られて、観覧車から降りる。


まだ、あのキスの余韻が残ってて水瀬君の顔が見れない。


帰りに洋食屋さんに行ってきました私はグラタン、水瀬君はハンバーグを食べた。


「じゃあ、また明日」


楽しい時間はあっという間に過ぎる。


もっと、一緒にいたい。


そう思うと、私は水瀬君のジャケットをきゅっと握ってしまった。
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