海先生のお悩み相談室
「久しぶりだね透瑠くん」

「清花さん……⁉」



姿を現した彼女は勝ち誇った表情をしていた。

案の定、水沢くんは目をまん丸にして驚いている。



「先生⁉ 一体どういうことですか⁉」



若干キレ気味で水沢くんが迫ってきた。



「ん? 猫に似ている青石さんが元気なかったってことだよ」



涼しい顔をしてサラッと返答。

すると、いつの間にか彼は青石さんにガッチリと捕らえられていた。



「先生、ご協力ありがとうございました。後は私達で解決するのでご安心ください」

「了解。じゃあまたね」



笑顔で二人に挨拶して出ていくと、後ろから「うさぎ捕獲作戦大成功」と聞こえてきた。



「フフフ……」



笑い声が出ないよう口を手で覆う。

水沢くんの拍子抜けした顔が面白くて面白くて。
笑いをこらえるのが大変だった。


作戦が成功してホッとしていると、今度は「好き」と低い声が聞こえてきた。

……告白したんだな。


しばらくして彼女の声も聞こえ、無事両思いになったみたい。



「お幸せに」



誰にも聞こえないくらいの小さな声でポツリと呟き、静かに職員室へ戻った。
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