【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
ぜんぜん釣り合わない


「好きな人の顔を見るだけで幸せとか、そんなセリフをまさか自分が言う日が来るなんて思ってもみなかったの……」


はぁ、と幸せな溜め息を吐き出した。

けど、誰ひとり聞いちゃいない。

クラス中がざわざわとしているから聞こえないのだけど。


バレンタインが終わった数日後から意外と忙しかった。

三送会が近づいているからだ。

私のクラスは劇をやることが決まった。

そして今はどんなストーリーをやるのか、配役はどうするか話し合っているところ。

みんながあちこちの席に散らばって、がやがやと騒がしい。


演劇部のみんなは特に気合いが入ってる。

律くんはそれでもお構い無しに省エネモード。

みんなで頑張ろう!って、特に苦手な律くんのことだから、興味はないんだろうな……。
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