あなたの願い、残酷に叶えます。
嫌な予感しかしない。


でも、来ないとなにをされるかわからない。


今日の紗弓はすごくイライラしていたから、それと関係があるのかもしれない。


どうしよう。


どうしよう……!


気がつけば、あたしは家の近くの公園のベンチで座っていた。


今は子供たちの姿もない。


きっと、ウイルスの影響が出ているのだろう。


ひと気のない寂しい公園。


だからこそ、今のあたしにはちょうどいい場所だった。


学校では泣く場所なんてない。


家でも、両親に心配をかけたくない。


泣くためにはもってこいの場所だった。


白いハンカチを目元に当て、グズグズと鼻をすすりあげる。


高校生にもなって、こんな場所で泣くことになるなんて思ってもいなかった。


「明日、どうすればいいんだろう」


行かなきゃいけない。


でも行きたくない。


あたしの心は分離してしまいそうだった。
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