あなたの願い、残酷に叶えます。
「明日、なにかあるのか?」


突然聞こえてきた声に驚いて振り向くと、そこには充男が立っていた。


「充男!?」


「外から姿が見えたから」


充男はここにいる理由を簡潔に言うと、あたしの隣に座った。


「で、明日なにがあるんだ?」


質問しながら充男はあたしに缶の紅茶を差し出してきた。


おずおずと手を伸ばして握り締めると、とても暖かくてホッとした。


公園の入り口にある自販機で買ってきてくれたみたいだ。


「明日……学校に呼び出されて……」


紅茶のぬくもりのせいだろうか?


教室内ではどうしても話せなかったことが、ぽつぽつと口から出てきた。
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