あなたの願い、残酷に叶えます。
「明日は休みだろ? 呼び出されたって、紗弓と景子か?」


あたしは頷いた。


同時に目の奥がジワッと熱くなるのを感じる。


こうして人に自分のことを話すのは高校に入学してから、はじめての経験かもしれない。


「まじか……」


充男は顔をしかめている。


「無視できないのか?」


その質問にあたしはブンブンと左右に首を振った。


そんなことをしたら、後からどうなるかわからない。


「そっか。それなら俺も一緒に行く」


「え?」


予想外の言葉にあたしは目を見開いて充男を見た。


充男はニカッと白い歯をのぞかせて笑っている。


「別に、ひとりで来いとは言われてないんだろ?」


「そうだけど……」


でも、勝手にそんなことをしたら絶対に怒られう。


そう思い、下唇を噛みしめた。


「大丈夫。守ってやるから」


どうして充男はこんなに優しくしてくれるんだろう?


自分の頬が熱くなるのを感じる。


このままじゃ勘違いしてしまいそうで、あたしは慌てて立ち上がった。


「あ、ありがとう」


小さな声でそう言い、充男から逃げるように公園を出たのだった。
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