南の島のクリスマス(十年目のラブレター)
 そしていつの間にか准の腕の中で眠ってしまっていたアタシ。ゆうべ、嬉しすぎてほとんど眠れていなかったから…目を覚ました時にはもう太陽は一番高いところを過ぎてた。


「ごめん准。アタシが寝たせいで」
「気にすんなって。俺だって寝てたんだから。」


「でも…お昼に帰れるかなあ?」
「大丈夫。俺がお前おぶって浜まで行くから。目、(つぶ)ってろ。」


  それで海に入った准。
   水は准の腰あたりまで満ちていた。


 幼い頃、海で溺れかけて海が怖くなって水の中に入れなくなったアタシを知っててくれる准。


それなのにーーーー。

どうしても怖くて…アタシが動いたせいで海の中に倒れて、ふたりともずぶ濡れに。


 慌てた准が抱き抱えてくれたけど、准が泊まっていた民宿の部屋で服を乾かすはめになった。


民宿の部屋は古い木造の和室。



 部屋に入るとすぐに准は窓のカーテンと襖を閉め「早く脱げよ」と言い、自分も来ていた服を全部脱いで…思わず顔を背けた。


全裸になると准は布団と毛布をとり、アタシの前に広げ「ほら、見ねえから早く脱げよ。風邪ひくだろ」と強く言うと…

「じゃねえと…俺、消えちまうぞ」と寂しそうな声で(つぶや)いた。


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