南の島のクリスマス(十年目のラブレター)
 そんな資格なんかもう自分にはないくせに良い気になってる女。そう思うだけで自分が嫌になる。


その指輪をずっと見つめてたらいつのまにか(あた)りはもう真っ暗で、(かす)かに窓から漏れて来る街路灯の光が薄っすらと(みじ)めな姿を照らす。


 夜10時過ぎ、あれからずっと同じ姿勢でカーテンの前で体育座りして指輪を眺めていた。何処かから聞こえてくる足音にまた身体が震え始める。


   もうこんなの沢山(たくさん)
   アタシにはもうクリスマスなんか
       来ないんだし!


 その足音は少しずつ大きくなりアタシの部屋のすぐ前で止まった。そしてドアを叩く音が心の奥底まで震え上がらせる。口を両手で押さえて声が漏れるのを防いでも、嗚咽(おえつ)()き声が溢れそうになる。それは全身が震えているから。

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