覚醒者3号-最終調査報告-
やがて、覚醒者たちの隠れている壁際まで近づく。

アルファチームの面々が、慎重にクリアリングを始めた。

「クリア!」

「クリア!」

次々と確認終了の声が聞こえる。

そして。

「ク…クリア!」

6人目の声。

ん…?

「待て、6人とも異常なしとはどういうこった!?」

俺は怒鳴った。

奴らを追い詰めたんだ。

誰かが潜んでいる覚醒者を発見しなきゃおかしいだろうが!

俺のその言葉に。

「し、しかし分隊長」

部下の一人がうろたえた。

「奴ら…どこにも姿形も見当たりません」

「なにぃ~?」

そんな馬鹿な事があるか。

壁際に隠れた奴らを、確実に追い詰めたんだぞ。

あの弾幕だ。

壁際から出ずに逃げ出すなんて、煙のように消えでもしなけりゃ…。

「……まさか!」

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