覚醒者3号-最終調査報告-
矢崎の無線での呼びかけに応えるように。

「!」

地下通路。

その天井からロープが下がってきて、そのロープによる懸垂降下で5つの人影が降りてきた。

その異様な風体に目を奪われる。

…5人が5人とも、同じ出で立ち。

口元を黒い覆面で覆い隠している。

両手こそ自由になっているものの、いたる所にバックルを取り付けられたその衣服は、レザー製の拘束衣を連想させる。

いや、事実拘束衣なのかもしれない。

その性質上、あまりに危険な存在の為に、通常は動きを封じられ、厳重な警備の中で監視されていたのではないか。

そう思わせるには十分な、常軌を逸した眼をしていた。

5人が5人とも、だ。

…同じ者同士、すぐに感じ取れる。

この5人は、『覚醒者』だった。



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