【新説】犬鳴村
「ごめん…ほんとにごめん。これから急いで行かなきゃいけないとこがあるから。ごめん。また今度なんかおごるけん。」と言いながらドアを閉めて車を走らせようとした。


「待てって!お前の用事と俺のデート、どっちが大事か分かってんのか!?えっ!?」
「ごめん!俺、急ぐけん。」


     ーーチッ…


と最後に賢治は小さく舌打ちをした。この舌打ちがリーダー格の男の怒りの火に油を注《そそ》いだ。


「何じゃあ!こらあ!賢治!昔みたいにボコボコにすんぞ!」と賢治の胸《むな》ぐらを掴《つか》み車から引きずり降ろした。

「ごめん、ごめん、ごめん。行かせてよ。」
道路の路肩に放り投げられた賢治は土下座しながら何度も謝《あやま》った。

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