やさしいキスをして
  これと言って好きなタイプーーー
   というわけじゃないけど、
 気楽に話せる数少ない男の中の一人ではある。


「これ、サイズA4に変更するわけ?」
「すみませーん、面倒くさいっすよね」
「ううん、全然OK。サイズ変更するだけじゃん。ありがたい原稿だよ」
「これだからウッチーさん好きっす」


「またまたゴマ擦り?」
「んなわけないっしょ。マジですよ。マジマジ!」


 そう言ってデータが入ったCDを置いて、ラフをつけて戻っていく。タモリんの会社はうちの会社の3階上のフロアにある。


そこに入社時から社内では唯一の飲み友達のエリがニヤニヤしながらわたしのデスクの方に歩いてくる。

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