【完】イミテーション・シンデレラ
「岬ちゃん…?」
うん。頑張る。
昴はいつだって、応援してくれていた。 仕事の事も恋の事も。
情けなく愚痴ばかり吐く私に、岬は頑張ってるよって言って、何度も何度も背中を押してくれた。
いつも何気なく隣に居てくれた、空気のような優しさにいつだって勇気づけられた。
「類くん、行こう。頑張ろうね!」
「う、うんッ」
私達はいつも怖がりでどこか憶病で、時たま自分の立っている場所を見失って
自分で選んだ道なのに、心無い言葉に傷ついては立ち止まり、けれど優しい言葉にまた立ち上がり、それでも歩みを止めなかった。
苦しい事ばかりの世界。それでもスポットライトを浴び続ける事を選んだ理由は、悲しみが喜びになる日を知っていたから。 それが例え一瞬の儚い光だったとしても、その瞬間の眩い程の輝きを私は知っていたから。
ステージに出た瞬間、色を変えるスポットライトの下割れんばかりの声援が聴こえる。