【完】イミテーション・シンデレラ
「昴、飲みすぎ…?顔が異常な位赤いんだけど…」
「この位のお酒で酔っぱらわないよ。 岬が悪いんじゃん。」
「悪いって、何が?!」
打ち上げの席。
相変わらず真央と西園寺さんは不毛な言い争いをしている。
ガヤガヤと騒々しい店内の中で、梨々花と類くんの姿も見える。 ふたりは私達の姿を見つけて、笑顔で駆け寄って来る。
類くんが私の方へ寄って来ると、それを制するように昴が前に出る。
梨々花が不思議そうな顔をしている。 だけど昴は私の手を強く掴んで、そのまま離さなかった。
「ふたりとも今日はお疲れ。 俺と岬抜け出すから 周りには内緒ね?」
「え?え?」
それだけふたりに言い残すと、昴は掴んだ手を引いたまま走り出してしまった。
ふたりで抜け出す?!
あの昴が?!
こういった打ち上げは、スタッフさん達の為にあると言って最後まで付き合うタイプの人間なのに。
寧ろこういった役目はいつも真央の方で、彼は平気で静綺に会いたいからって理由で打ち上げ関係を放り出す。
こんなの全然昴らしくない。