【完】溺愛したい子は桜鬼と呼ばれる風紀委員長でした
「失礼します」

最初に美優が入り、次に北川が生徒会室に入った。

「みーちゃん、あの三人って...!」

北川が指をさした先には見覚えのある、高等部の男子生徒三人がいた。

「この三人に見覚えがあるだろ?桜井美優」

そう話したのは夕霧学園生徒会長の夕霧 孝(ゆうぎり たかし)。そして彼を囲むようにいるのは、前に美優に喧嘩を売った人達だった。

「はい。ですが、会長。何故、彼らがここにいるのでしょうか?」

「何故?それはあなたが彼らに危害を加えたからではないでしょうか?」

「お言葉ですが会長。先に危害を加えたのは彼らです」

「おや?おかしいですね。彼らの話だと、自分たちは何もしていないのに桜井美優投げ飛ばされたと言っていますが」

「デタラメです。会長は彼らに騙されています」

会長はニヤリと笑った。

「デタラメな事なんて一つも言っていない。それに、君の言い分は誰も信じない」

「・・・」

「君はいつも何かあれば怒鳴り、投げ飛ばす。そんな報告が多数寄せられている。聞けば君の家の近くでもやっているそうではないか」

「会長だったんですね。私の家の近くでコソコソとしていたのは」

「行ったのは僕ではない。他のやつに頼んだ」


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