キミに好きと伝えたい。
ショートストーリー『自分がキライ』

キミは
失恋してしまった。

そのことを
僕に話してくれた。

 
「私の恋は、いつもそう。
勇気を出して想いを伝えても…
ごめんなさいって言われる。

もう恋なんかしたくない…。
相手に嫌われちゃうなら…
恋なんか…
人間なんか嫌い…」



キミは泣きながら
僕にそう言った。



僕はキミの話しを
いつもきく。



キミが好きだから。
キミの話してくれるその声が好きで。

いつも、話しを聞くんだ。




今のキミは傷ついてる。



キミが傷ついて
ぼろぼろになっている姿は
見たくない。


僕だったら 
キミを泣かせたりしないのに。


気づいたら僕は
キミを抱きしめていた。


壊れ物を扱うように
そっと優しく…

キミを抱きしめた…。



「傷ついている姿は見たくない。
僕ならキミを大切にするのに。

キミは笑顔が一番素敵だよ?」



すると
キミは


「もう私…
恋なんてしないもん…。」


泣きながら
そう言った。



「僕を好きにならなくてもいい。
人を嫌いにならないで…。」




僕はキミに
そう言った。



「でも…。」




「人を嫌いになったら
キミは一人ぼっちに
なっちゃうでしょ…?

人は一人じゃ生きられないんだよ?

少しずつでいいから…。

人を好きになってみて…?」



キミは泣きながら
小さく頷いた。


少しずつ
前に進んだらいいよ…。

僕の想いが
叶わないままでもいい。

キミの傷が
少しずつ消えれば…

それだけで…いいんだ。



あなたは
私を好きという…。



「なんでよ…。
こんな私のどこがいいっていうの?」


私はあなたに言った。




するとあなたは…




〝生意気で照れ屋で
しっかりしてるけど
甘えたがりなところとか

とにかく全部含めて
す、好きなんだよっ!〝





あなたは
私を好きといった…




私は自分なんかキライ…。
大嫌いだもん。


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