没落人生から脱出します!
エリシュカが四歳のときだ。
ブレイクは兄であるキンスキー伯爵のもとにお金を借りに来ていた。
王都の学校を卒業して以来、ブレイクは屋敷には戻らず交易の仕事をしていた。自分で商会を開いてはいたが、生活するのにやっとの金額しか稼げず、とある事情で大金が必要になり、金策尽きて頭を下げに来たのだ。
だが、伯爵は『道楽になど、ビタ一文出さない』とブレイクを追い返した。
打ちひしがれたブレイクがトボトボと門に向かっていたとき、「あなたがおじさま?」と声をかけてきたのがエリシュカだったのだ。
「やあ。君はエリシュカだね? 何歳になった?」
「四歳よ。マクシムとラドミールは二歳」
遠くから、双子とキンスキー伯爵夫人の声が聞こえてくる。同じ子供なのにひとり離れて遊んでいるエリシュカの境遇を、ブレイクはなんとなく察した。
「君は何をしているんだい?」
「おじさまとお話したくて待っていたの。遠くから来たんでしょう? ねぇ、この世界に、デンワってあるかしら。遠くの人とお話しする道具よ?」
「さあ……知らないなぁ」
「じゃあ、ジドウシャは? 馬車の代わりにタイヤで走るの」
「……エリシュカはどうしてそんなことを知っているんだい?」
「夢で見たの。大きな道具じゃなくても、便利なものがいっぱいあるわ。デンキの力でお湯の沸くポットや、冷たいものを温めるレンジ。おもちゃもたくさんあったの。お人形も自動で動いたりするのよ?」
ブレイクは兄であるキンスキー伯爵のもとにお金を借りに来ていた。
王都の学校を卒業して以来、ブレイクは屋敷には戻らず交易の仕事をしていた。自分で商会を開いてはいたが、生活するのにやっとの金額しか稼げず、とある事情で大金が必要になり、金策尽きて頭を下げに来たのだ。
だが、伯爵は『道楽になど、ビタ一文出さない』とブレイクを追い返した。
打ちひしがれたブレイクがトボトボと門に向かっていたとき、「あなたがおじさま?」と声をかけてきたのがエリシュカだったのだ。
「やあ。君はエリシュカだね? 何歳になった?」
「四歳よ。マクシムとラドミールは二歳」
遠くから、双子とキンスキー伯爵夫人の声が聞こえてくる。同じ子供なのにひとり離れて遊んでいるエリシュカの境遇を、ブレイクはなんとなく察した。
「君は何をしているんだい?」
「おじさまとお話したくて待っていたの。遠くから来たんでしょう? ねぇ、この世界に、デンワってあるかしら。遠くの人とお話しする道具よ?」
「さあ……知らないなぁ」
「じゃあ、ジドウシャは? 馬車の代わりにタイヤで走るの」
「……エリシュカはどうしてそんなことを知っているんだい?」
「夢で見たの。大きな道具じゃなくても、便利なものがいっぱいあるわ。デンキの力でお湯の沸くポットや、冷たいものを温めるレンジ。おもちゃもたくさんあったの。お人形も自動で動いたりするのよ?」