東京ヴァルハラ異聞録
「で、勢力が四つに分かれたって、その月影率いる勢力もさっきのゼロ・クルセイダーズみたいに厄介なのか?」


ずっと考え込んでいる様子の悟さんが、首を傾げて千桜さんに尋ねた。


「ああ、いえ、そういうわけではないんですよ。元々防衛部隊と侵攻部隊がありましたよね?それが独立した感じでしょうか。嵐丸さんを取り込んだ月影が防衛部隊、そして橋本さんが侵攻部隊を率いているので、西軍の機能にそこまで大きな支障はありません」


「まあ、早い話が誰が実権を握るか争ってるって事か?橋本さんが侵攻部隊を率いているのは意外だったけど」


フウッとタバコの煙を吹き、灰を灰皿に落とした愛美。


橋本さんと言えば、俺達が北軍に侵攻する作戦を立てていた時にいた大柄の人だな。


侵攻部隊、防衛部隊の役割がはっきりしていると考えると、勢力が分かれてもそれほど大きな問題はないように思える。


問題があるとすれば……。


「ゼロ・クルセイダーズはそのどちらでもないんですか?さっきの様子を見た限りでは、友好的とはとても思えませんけど」


「そこなんですよ、わたるくん!やつらは混乱に乗じて、西軍を手に入れようとしているだけの、西軍の癌とも呼べる存在なんです」
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