ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目
どうしていいかわからなくて。
どんな顔で、
綺月君を見ればいいかもわからなくて。
うつむいて
綺月君から視線を外すことで精いっぱい。
「立花って……鈍すぎ……」
消えそうなほどのかすれ声と共に、
綺月君の右手が、私の頬に触れた。
頬に伝わる、綺月君の手のひらの温度。
想像していたよりも、温かくて
顔がゆがむほど、心臓がぎゅーって縮む。
なに? この状態。
誰もいない教室の。
狭い、教卓の下。
綺月君が、すぐ目の前にいて
綺月君の手のひらが、私の頬を包んでいて
逃げたいのか
このままでいたいのか
自分でも、わからなくなってきた。
心臓も脈も、
壊れちゃうんじゃないかって程、
激しく波打っていて。
気を抜けば、フッて倒れちゃいそう。
綺月君の顔が
ゆっくりと近づいてきた。
もしかして……
このまま……
キス、されちゃうのかな??