ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目
そうだよね?と、
千柳さんに聞かれた綺月君。
みるみる、
顔が真っ赤に染まっていく。
ひゃっ。
やめて、綺月君。
私のことで、
恥ずかしそうにテレるのやめて。
恥ずかしさ、私に伝染しちゃう。
私の顔まで熱せられて、
焼けこげちゃうから。
ま……待って。綺月君。
今、私に近寄らないでよ。
心臓が止まっちゃうと困るから。
私の心の慌て声なんて、
届くはずもなく。
綺月君は、
私の耳元に甘い声を吹きかけた。
「心美……覚えといて」
え?
「俺……
オマエがそばに居てくれないと……
ステージに……立てないからな……」
耳元で綺月君にささやかれて。
かぁ////////////
まだ焦げるのかって程、熱くなる私のほっぺ。
声を出す余裕も、
顔を上げる余裕もなく。
私は壊れたオモチャのように、
コクコクと、何度も何度も頷いた。