ぼっちのキミに毒はまり ゾルック 一人目


 心を守るための言い訳。


 頭の中で、何度も繰り返し


 寂しさを、得意の作り笑顔で

 誤魔化していたのに……


 教室に誰もいなくなった瞬間

 用済みの作り笑顔を押しのけるように、
 涙腺が緩み始めた。



 教室に差し込む夕日が
 私を慰めてくれているようで

 余計にみじめな気分になる。



「お掃除しよう……」


 雑巾を手に、黒板の前の教卓を拭き始めた時


「綺月、教室に何忘れたんだよ」


 廊下から声が聞こえ、
 私はとっさに、教卓の下に隠れてしまった。



 顔は見えないけれど
 教室に入ってきたのは、多分

 綺月(きづき)君と和明(かずあき)君。


 会話がえげつなくて、耳を塞ぎたくなる。
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