東京ルミナスピラー
ここに来て、聞いてもいないことをベラベラと喋り出した煌我。


秘密を話すから、見逃して欲しいとでも言うつもりか?


「その点、PBSに介入して、『スキル』として力を与える方法は、発現率は100%だ。そこに転がってる女は、この方法で改造されたんだけど……予期せぬバグが発生したみたいだね。何が原因かはわからないけどさ。PBSの不具合は命に関わる。恐らくその女は……もう生きていられない」


つまり……こいつは近くで、是松に不具合が起こらないかをずっと監視していたってことなのか?


「……そんな秘密をどうしてベラベラ喋ってるんだお前は。これだけの人に囲まれても勝てると思ってるのか? それとも、いつもみたいに逃げるつもりで言ってるのかよ」


「そんなの決まってんでしょ? お前らが絶望する顔を見たいからだよ」


舌を出し、おどけて見せた煌我に再び飛び掛かった。


素早く首に向けて振り抜いた日本刀。


その刃が……あっさりと煌我の首を切断して宙に舞う。


不気味だったのは、首を斬られてもなお、舌を出して笑っていたことだった。


そして、パンッと弾けるように、光の粒へと変化して辺りに飛び散ったのだ。
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