東京ルミナスピラー
「な、なんじゃありゃあっ! まさか蘭子ちゃん……鬼になってしもたんか!?」


大和さんが言うように、蘭子の頭部からは角が生えている。


鬼……いやこれは鬼と言うより……。


「悪魔だ。鬼王・黒井にどことなく似てる……」


そう、俺達が知っている鬼とは違い、悪魔のようなフォルム。


鬼王・黒井と違うのは、蘭子に角と羽根が生えているという姿。


完全な悪魔ではないにしても、手足が紫の毛に覆われ、獣のような雰囲気さえある。


「殺してやる殺してやる! 嫌いだ! 私を傷付けるやつは皆嫌いだ!」


殺意に満ちた真っ赤な目をこちらに向け、超音波のような悲鳴を上げた。


「うおっ!」


「きゃっ!」


そのあまりの耳障りな音に、慌てて耳を塞ぐ大和さんと夕蘭。


だけど俺は……蘭子のその苦しみが痛いほどわかって、再び蘭子に近付いた。


「わかるよ蘭子。愛する人を失うって、辛いもんな。苦しいもんな。また歩き出そうなんて無責任なことは言えない。今は休めばいいからさ。友達だろ? 俺はいなくならないし蘭子の傍にいるから。だからヤケになるなよ」


俺が感じた絶望、そして母さんが与えてくれた希望。


その想いを紡ぐように、蘭子に一番伝えたいことを言うと、少し蘭子の殺意が揺らいだような気がした。
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