東京ルミナスピラー
「ええい! 鬱陶しい!」


すぐに左手を横に振り、夕蘭に裏拳気味に攻撃を仕掛けたビショップ。


慌てて戦斧で防御したものの、血が付着して吹っ飛ばされて、壁に叩き付けられた夕蘭は自分の腕を見た。


ドロドロに溶けて、もう肘から先がない。


PBSで回復しようにも、侵食が早くて腕が無くなって。


さらには今の一撃で首から下の感覚が無くなっていた。


「ゴミ共が、このビショップを舐めるなど……ぐっ! なんだこれはっ!」


左手を引いたビショップが、その重さに耐えかねてか、身体が前屈みになる。


「残念だったね。私のグラビティスマッシュは、あんたが死ぬまで残るよ……つまり……もうあんたには、その重さから逃れる術はないってこと……だね」


チラリとカプセルに叩き付けられたミモザを見ると、身体が溶けながらもどこか笑っているような表情で、役割を果たして満足そうだった。


夕蘭もまた、死を覚悟していたが、不思議と怖くはなかった。


上にいる年下の男の子が、必ずこの腐った街を終わらせてくれると信じてたから。


「あーあ……もっと早くに出会いたかったな。そしたら私にも……チャンスはあったのかな」


身体が失われて行く中で、夕蘭は笑いながらそう呟いて目を閉じた。
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