東京ルミナスピラー
「このお兄ちゃん、少年のことをずっと心配してたよ。なんだかんだ言って、気にかけてるんだよきっとさ」


不貞腐れながらタバコを口にくわえた吹雪さんに、父さんが咳払いをして話し掛けた。


「吹雪ちゃん。悪いけど、出発の準備をしてくれ。西軍を突っ切って南軍まで行く。護衛を頼みたい」


「……ってことは、見付かったんだね? 任せなよ。私がキッチリ送り届けてあげるからさ!」


父さんに拓真、舞桜に吹雪さんか。


これだけで、どんなやつが相手でも勝ててしまうんじゃないかと思うような、とんでもないメンバーだ。


「ね、ねえ葵。ここ、何なの? ここに何かあるの?」


「あー……えっと」


灯からしてみれば、よくわからない場所に来ているんだからその疑問も当然だよな。


「皆は外で待っててくれ。ここからは少しだけ、家族の時間だからな」


父さんにそう言われて、皆は外に出て行った。


それを確認して、処置室の方に向かう。


「灯には話すべきじゃないと思った。光がこの街から出られたら、話す必要もなくなるからな。家族のこんな姿を見せたくはなかったんだ」


父さんの言葉の意味をよくわかっていない様子で、灯は首を傾げる。


そして、カーテンが引かれているベッドの横にやって来た。
< 298 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop