溺愛フレグランス


この眼帯を外すわけにもいかず、何かしら朔太郎を納得させる理由を考えつかなきゃ、今日は一日地獄を見てしまう。
私は気分転換に、部屋の窓を全開にした。
外の空気はもう冬の冷たさだ。でも、天気は極上の快晴だった。

私が考え出した名案は、とにかく朔太郎と二人にならないようにするという事。朔太郎の事だから、村井さんや石田さんが居る場所で絶対にあれこれ詮索してこない、はず…
今日の主役は村井さんであって、村井さんが主導権を持つのは決まっている。
今日の待ち合わせには、少し遅れて行こう。その方が効果的なはずだから。
そう決めてしまったら、また眠たくなった。
私はすぐにベッドにもぐり込む。何だかすごく疲れている。そう思った途端、深い眠りに落ちた。

夜の七時の待ち合わせに私は三十分ほど遅れて合流した。
駅前にある隠れ家的な洋風居酒屋は、コロナ禍のせいで空いている。
私はドアを開けて、店内を見渡しすぐに三人のいるテーブルを見つけた。
一瞬で、気が重くなる。でも、皆に気付かれる前に気合を入れ直した。

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